スズキサトシ(@sasa_rhythm)です!
ブルーハーツ時代、マーシーはソロ活動で4枚のアルバムを出していますが、もちろんシングルもいくつか出ています。
いずれもアルバムには未収録なので(再発版に収録されたものはありますが)、一通り紹介していきましょう。
マーシーソロ曲はほぼ捨て曲が無いというレベルでクオリティが高いですが、それはシングルB面曲も同様。
ぜひ珠玉の名曲群に心を躍らせてもらえると嬉しいですね。
マーシーソロのB面曲
ドクターペッパーの夢
作詞・作曲/真島昌利
マーシーのファーストシングル『アンダルシアに憧れて』のB面に収録。
デモ音源かと思うほど音像がぼやけているのですが、それが雰囲気を増長させているので、逆に良かったのかなと思うところ。
B面曲に選ばれた経緯は分かりませんが、急きょ入れることになって、デモにそのまま手を加えて完成させたと考えても、不思議では無いかなと。
8分超えかつ、同じパターンの繰り返しという単調な構成ですが、これぞマーシーという圧倒的な言葉が次々と降りかかってくるため、あっという間に最後まで聴けてしまいます。
長すぎるがゆえにアルバムから外したのかもしれませんが、シングルB面に留めたのが勿体ない珠玉の名曲ですね。
ちなみに歌詞中に画家の名前がたくさん出てきますが、『マーシーの歌詞に出てくる画家を紹介』という記事で紹介してますので、あわせてどうぞ。
真夜中すぎの中央線
作詞・作曲/真島昌利
2ndシングル『オーロラの夜』のB面に収録。
中央線とは東京都のJR中央線のことで、マーシーが西東京方面出身なため、おそらく頻繁に利用していたのでしょう。
『オリオン座』というような空想的な言葉も使いながら、電車に乗っている光景をここまで美しく描写できるのはマーシーにしかできない所業だと強く感じます。
詩人・真島昌利の底知れぬ才能が溢れてますね。
要所に入ってるハーモニカが切なさを演出し、良い味が出ていると思うところも。
バラ色の人生
作詞・作曲/真島昌利
3rdシングル『夜空の星くず』に収録。
2ndアルバム『HAPPY SONGS』期の曲ですが、リフから始まるミドルテンポなロックナンバーな内容が、どちらかというと3rdアルバム『RAW LIFE』の雰囲気に近いように感じます。
よく使われる『幸せ』という意味の『バラ色の人生』では無く、不満を抱える日常を皮肉って『バラ色の人生』と歌い上げる内容であり、視点の置き方が流石マーシー。
アレンジ面ではアウトロの荒れ狂うサックスも聴きどころ。
うな重
作詞・作曲/レイ・デイヴィス 日本語詞/真島昌利
1960年代を代表するイギリスのビートグループのひとつである『キンクス』の『I need you』に、マーシーが訳とは関係ない日本語詞を載せたもの。
同じく『夜の星くず』のB面に収録。
『私はあなたが欲しい』という意味の曲を、うな重の曲にしてしまう潔さが流石です。
ちなみに原曲はこちら。
そう考えるとこの時期に既に、ソロ活動でゴリゴリなバンドサウンドをやりたい欲というのが、マーシーの中に湧き上がって来てたのかもしれませんね。
踊り踊れば
作詞・作曲/真島昌利
シングル『GO!GO!ヘドロマン』B面に収録。
『RAW LIFE』期の曲としては、楽観的なほのぼのとした曲なので、アルバムから外れたのも納得できます。
どことなく北欧の民謡のような雰囲気も出ており、マーシー曲の中ではかなり毛色が違う内容と思うところ。
ネオアコやボサノヴァも好んでいたりする、マーシーの趣向の広さを感じる一曲ですね。
I FOUGHT THE LAW
作詞・作曲/ソニー・カーティス 日本語訳詩/真島昌利
元々はバディ・ホリーのバックバンドだった『ザ・クリケッツ』が1959年に発表した曲ですが、1979年にクラッシュがカバーしたことで多くのロックキッズの耳に届いた楽曲。
シングル『俺は政治家だ』のB面に収録。
CD版ではいかにもなカントリー&ウエスタン調で、クリケッツともクラッシュとも付かないアレンジでしたが、ライブではクラッシュに忠実に演奏されていました。
ちなみにクラッシュバージョンはこちら。
ライブ版の方が圧倒的にカッコいいのですが、残念ながら公式には音源になっておらず。
空席(version2)
作詞・作曲/真島昌利
2019年現在、マーシーソロ最後のシングル『カレーライスにゃかなわない』B面に収録。
4thアルバム『人にはそれぞれ事情がある』収録の『空席』のバージョン違いです。
レゲエ風なアレンジがマーシーソロ唯一のものと言っても過言では無く、ちょっと独特な雰囲気を出していますが、そもそもの曲自体が無茶苦茶に良いので関係無し。
ラスト付近のBメロ部分で入ってくるハーモニカが猛烈に切なく、いつも涙腺が緩んでしまいます。
元バージョンの方が断然好きですが、こちらはこちらの良さがありますよ。
ぜひ聴き比べてみて欲しいところ。
「マーシーソロのB面曲まとめ!」まとめ
数は少ないですが、一通り紹介してきました。
『踊り踊れば』と『I FOUGHT THE LAW』は、3rdアルバム『RAW LIFE』の再発版のボーナスディスクに収録されていますが、それ以外はシングルを中古で手に入れるほか聴く手立てはありません。
しかしマーシーが好きならば、中古版を入手する手間暇を遥かに超える、感動という価値が手に入る珠玉の音源と言っても過言では無いほど。
『バラ色の人生』、『うな重』は好みが分かれるところですが、それ以外は間違いなく必聴でしょう。
ぜひ聴いたことが無かった方は、一度聴いてもらえると嬉しく思いますね。