2000年代初頭に全国規模の一大ムーブメントとなった『青春パンク』。
恋愛・友情など個人的なテーマの歌詞が特徴的であり、圧倒的に共感を呼ぶ内容で、数多くの若者の心を鷲掴みにしました。
それらのバンドの多くは、ほぼ例外なくブルーハーツの影響を受けており、直接的にトリュビュート版に参加したり、インタビューで語ったりと様々。
今回はそんな青春パンク群のバンドの中でも、個人的におすすめなバンドを紹介していきたいと思います。
同時代に雨後の筍のようにいたバンド群でも、やはり人気を得ていたバンドはそれぞれ個性があると感じるところ。
十把一絡げにして、「ブルーハーツのパクリでしょ?」と言って興味を持たない人がたまにいますが、それは本当に勿体ないので、ぜひ少しでも興味を持ってもらえると嬉しいですね。
ブルーハーツの影響を受けているおすすめ青春パンクバンド
GOING STEADY&銀杏BOYS
- BABY BABY
- 銀河鉄道の夜
ブルーハーツとハイロウズが違うように、厳密に言うと違うバンドですが、紹介の都合上まとめさせて貰いました。
どちらもボーカル峯田をフロントマンとしたバンドであり、最初のバンドである『GOING STEADY』は、青春パンクムーブメントを牽引したバンドと言っても過言ではありません。
なんと言っても他のバンドと一線を画すのは、圧倒的な楽曲クオリティの高さであり、覚えやすいキャッチーなメロディと、平易なのに胸に突き刺さる言葉が珠玉。
峯田のいかにもなロックスターらしい存在感も魅力の一つですね。
バンドの流れとしては、2003年に『GOING STEADY』を解散し『銀杏BOYS』結成したものの、2013年に峯田以外のメンバーが脱退し、現在はソロ活動同然。
何はともあれ、曲を聴いて行けばライブに行きたくなること間違いありませんので、ぜひ有名曲から聴いてもらいたいですね。
【不滅】ゴイステ(GOING STEADY)の名曲ランキング10! 【峯田和伸】銀杏ボーイズの名曲ランキング10!ガガガSP
- 晩秋
- 線香花火
- つなひき帝国
ワンアンドオンリーな、畳みかけるような歌い方が印象的であるガガガSP。
ボーカルコザック前田の力強さもさながら、楽曲がとにかく素晴らしい。
代表曲を色々と聴いてもらえれば分かりますが、妙に切なくなって来るような言葉が押し寄せてくるんですよね。
HP上での謳い文句である「フォークをパンクというフィルターに通し」という言葉通り、感情に直接訴えかけてくる本物の歌があります。
アレンジ面でも2ビートごり押しみたいなところもあり、際立った個性が感じられますよ。
【魂の叫び】ガガガSPの名曲ランキング10!サンボマスター
- 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
- 世界を変えさせておくれよ
- 青春狂騒曲
ドラマ『電車男』のED曲である「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」で有名なサンボマスター。
ソウルなどでよく使われるメジャー7などのお洒落なコードを爆音で鳴らすという意味で、唯一無二のサウンドが感じられます。
結成から一度もメンバーが変わらず、さらに同時代のバンドが活動休止も多い中、一度も止めることなく走り続けている熱いバンド。
【熱いソウル】サンボマスターの名曲ランキング10!スタンスパンクス
- 真夜中少年突撃団
「ヒロトの真似」という批判をよく見かけますが、個人的には真似してるんじゃなくて、単に声質が似ているだけだと感じます。
声だけ取り上げて、真似だのなんだの騒ぐのはなんだかなぁと思うところですね。
映画『バトルロワイヤル』の主題歌に起用された『真夜中少年突撃団』が有名ですが、同曲は少年時代の切ない情景が詰まったような、とんでもない名曲。
ジャパハリネット
- 哀愁交差点
バンド名は「ジャパン・ハリネズミ・ネットワーク」の略であり、由来はボーカルが「ブルーハーツなどの3つ区切り名称のアーティストが好きだから」というように、直接的な影響が伺えます。
ひたすら真っすぐで透き通る声と、一曲の中に言葉がたくさん詰められている点に、確かな個性がありますね。
歌いながらものすごく楽しそうにギターを弾く、ギタリストの中田さんも最高。
マスミサイル
- 教科書
こぶしの利いた歌唱など、特徴ある歌が耳に残るバンド。
代表曲である「教科書」は、常識や固定概念などのある種当たり前の考え方を、教科書として暗喩している名曲で、何度聴いても涙が出てきます。
青春パンクのバンドの中では数少ないキーボードが入っているバンドであり、ハイロウズっぽさもどこかに感じられますよ。
オナニーマシーン
- 恋のABC
下ネタ全開の楽曲ばかりを歌う、青春パンクならぬ性春パンクバンド。
ボーカルのイノマー氏は、月刊宝島社などで元々編集者・ライターをしており、ブルーハーツのベスト盤『イーストウエストサイドストーリー』でライナーノーツを書いていたりするほど。
他のバンドが恋や友情などを歌う中、ひたすらに思春期の欲望を歌う姿は異才を放ってます。
セックスマシーン
- 頭の良くなるラブソング
メンバーが兵庫出身なため、『ガガガSP』や『メガマサヒデ』らと親交の深いバンド。
代表曲である『頭の良くなるラブソング』は、円周率を言っているだけなのに、何故か泣けて来てしまうロックンロールのマジックがあります。
円周率といえば『BUST WEST HIP』収録、マーシーボーカルの「キューティパイ」が思い浮かびますが、もしかすると着想にあったかもしれませんね。
HIGHWAY61
- レコード
公式が無くて動画が貼れないのでご勘弁を。
バンド名がボブ・ディランの名盤『追憶のハイウェイ61』から来ているように、ルーツミュージックをこよなく愛するバンド。
青春パンクのバンド群は、サウンド的にはメロコアの影響が見られますが、同バンドはロックンロールド直球のサウンドが素晴らしき。
代表曲の『レコード』は、レコードへの愛をそのまま歌った名曲であり、踊らずにはいられないダンスナンバー。
ちなみに梶くんとの対談記事があり、深い話が展開されています。
参考 深入りコーヒー4杯目LOFT太陽族
- 僕らは…
- 裸電球
とにかく優しさを感じるバンドである太陽族。
個人的に大好きな一曲である『裸電球』の、「あいつのファイティングポーズが見えないのは、お前がファイティングポーズを取ってないからだ」という一節に心打たれます。
現在バンドは活動休止し、ボーカル花男のソロ活動状態ですが、暖かい歌声を今も日本各地で響かせてますよ。
ブギージャック
- クレーターストーリー
- 片隅の唄
バンドで初めて合わせた曲がハイロウズの『千年メダル』というブギージャック。
ロックンロールというよりは、ポップさが全面に出ているバンドで、聴かせるボーカルが象徴的です。
青春の焦燥漂うキャッチーな楽曲に、心を踊らされますよ。
「ブルーハーツの影響を受けているおすすめ青春パンクバンド」まとめ
わりとボリューミーに色々とバンドを紹介して来ましたが、冒頭にも述べたように、青春パンクと言えど、十人十色ならぬ十バンド十色の個性があります。
しかし「そもそも青春パンクというカテゴライズがシーンを狭めた原因では?」という声もあったりしますし、ガガガSPも過去に青春パンクと言われるのを嫌っていたりということも。
とはいえ、類似性を見だしてバンドをカテゴライズするというのは、パンクしかりニューウェーブしかり、ハードロックしかり音楽の歴史的に当たり前のように存在してきたこと。
むしろ膨大な音楽が溢れている状況では、リスナーにとってカテゴライズは好きな音楽の見つけやすさに直結すると感じます。
そんなワケでヒロトマーシーが好きなら、この辺のバンドでもお気に入りが見つかる可能性が高いので、ぜひ色々と聴き漁り、音楽の世界を広げてみてくださいね。