数多くあるDTM沼の一つであるケーブル自作。
自分的には機材の細かいとこに異様に拘るよりも、もっと音楽的な部分に集中したいと思ってるんですが、ケーブルが複数必要になったのもあり思い切って自作してみました。
不器用な自分にとっては最初は一苦労だったんですが、何本も作るうちに慣れて来て、楽しさも感じる事が出来たので、備忘録も兼ねて作り方をまとめていきたいと思います。
自分で作れるようになると、既存のケーブルの断線も自分で直せるようになりますし、何より普通に買うより圧倒的に安価。
ぜひ興味が湧いた方は、記事を参考にしながらチャレンジしてみてください。
必要な道具
既製品より安いとは言ったものの、最初は初期投資がかかるので、ある程度本数を作らないと元は取れません。
その点は割り切って、一通り揃えてしまいましょう。
壊れたという話もあまり聞きませんし、一度揃えればよっぽどの事がない限り数十年使えるのかなと。
- はんだごて
- はんだ
- ワイヤーストリッパー
- ニッパー
- マイナスドライバー
- はんだ吸い取り線
- XLRコネクター
- ケーブル
- テスター
はんだごて
はんだを溶かすのに必要な道具。
電源を入れると鉄の部分が高熱になって溶かすといった感じです。
これが無いと作業のしようが無いので、必須ですね。
自分はフェルナンデスの安いはんだごてを使ってますが、問題無くケーブル制作ができました。
はんだ
自分もケーブル制作するにあたり始めて目にした物なのですが、簡単に言うとこの銀の線をはんだごてで溶かし、接合するというもの。
はんだだけでも膨大な種類があり、拘ると際限がないので、とりあえず定番の「ケスター44」を買っておけば無難。
8412の既製品もケスターを使ってるそう。
ずっと保管してても悪くなる類の物では無いので、大容量のものを買った方が長い目で見れば安上がりです。
ワイヤーストリッパー
皮膜を切るのに使います。
慣れている人なら普通のニッパーでも良いのでしょうけども、初心者は普通のニッパーだと銅線まで切っちゃう危険性が。
実際自分は一本目のケーブルは切りすぎてしまったんで、これを買いました。
ニッパー
もう一つが所謂普通のニッパー。
繊維を切るのに使います。
どんなものでも良いでしょう。
マイナスドライバー
線をほぐすのに使います。
竹串を使う人もいるようですが、一石二鳥なのでマイナスドライバーがオススメ。
はんだ吸い取り線
付け過ぎたはんだを吸い取るのに使います。
特に慣れてないうちはベタベタと芋ハンダにしてしまいがちなので、確実にあった方が良いですね。
XLRコネクター
道具というより材料ですが、まとめて紹介していきます。
ノイトリックというメーカーが定番なので、これを選べば間違い無いでしょう。
プロ用のケーブルは基本的にこのノイトリックが使われているほどですが、コネクター自体は安価。
オスとメスで1セットでケーブルに装着するのでご注意を。
詳しくは後述します。
因みにサウンドハウスの安価メーカー「クラシックプロ」からもコネクタが出ており、大量に作る場合はこっちの方が安価ですが、難点が。
というのもコネクターがキツくてハマりにくいというもの。
自作初心者で使うのはハードルを上げてしまうだけなので、まずはノイトリックを使ったほうが良いと感じます。
ケーブル作りに慣れて来て、拘らない時に使ってみるのが良いように思います。
ケーブル
ケーブルも様々な種類がありますが、一般的にマイクケーブルに使うならベルデン8412が定番。
これを選んでおけばケーブルによるトラブルに遭遇することも無いですね。
テスター
マイクケーブルの完成後、正常に接続できるかチェックする機械です。
一台持っておけば既存のケーブルやギターシールドのチェックでも使えますし、ぜひ持っておくことをオススメします。
マイクケーブルの自作方法
①コネクターの部品を通す
コネクターの部品を先にケーブルに通します。
皮膜を剥いてからやっちゃうと、せっかくまとめたシールド線や銅線などをひん曲げたりほぐしたりしてしまうので、先にやるのが吉。
②ケーブルを2cmほど剥く
ケーブルを端っこから2cmほど剥きます。
ワイヤーストリッパーで挟み、ぐるっと回してから、後は手でちょっとずつ剥いて行きましょう。
ワイヤーストリッパーをギュッとやりすぎると断線するのでご注意下さい。
とはいえ、最悪失敗しても切って剥くとこからやり直せば問題ナシです。
自分も最初のケーブルはやり直しになりました・・・。
③いらない繊維を切る
一番外側にいらない繊維が付いてるので、ニッパーで切ります。
④シールド線をほぐす
マイナスドライバーを使いシールド線を丁寧にほぐしていきます。
絡まったりしないように、慎重にやっていきましょう。
⑤介在物を切る
シールド線の内側にさらに余計な繊維が出てきます。
ニッパーでザクザク切っていきますが、誤って黒と白の銅線まで切らないようにご注意を。
⑥シールド線をまとめる
シールド線を根本から寄せて、ねじって一本の線にします。
この際に注意したいのが、シールド線をまとめる位置。
最後にコネクターにはんだ付けする際に、オスとメスでケーブルの接合位置が左右逆になります。
その為、両端で同じ作業をすることになりますが、写真のように白いケーブルとシールド線が逆側になるように、シールド線を集める場所を決めましょう。
これをやっておくだけで、はんだ付けがかなり楽になります。
自分は最初の頃適当に寄せてたので、はんだ付けの際にめちゃくちゃ苦労しました。
⑦黒と白の線の皮膜を剥く
黒と白の線の皮膜を目分量で1cmくらい剥きます。
線の種類については、はんだ付けの際に詳しく説明するので、ここでは割愛。
先ほども書きましたが、この時点で線の位置関係が意図した通りになっているか確認しましょう。
⑧コネクターとケーブルに予備はんだを付ける
予備はんだとは、はんだ付けしやすいように事前にはんだを少量付けておくことで、はんだ付けがスムーズに出来ます。
慣れてる人は予備はんだ無しでやる人もいるみたいですが、予備はんだは初心者なら絶対にやるべき。
というのも、自分は最初はんだ付けが全然上手く出来なくてくっ付かず途方に暮れましたが、上手い人の動画を参考にして予備はんだをやったらすんなりくっ付けられたから。
そしてここでケーブルの銅線とコネクターについての勉強を挟みます。
まずコネクターは以下の画像のように、3つの差し込み口があります。
画像では見えませんが、実物をよく見ると番号が降られており、それで番号を判別できるというもの。
そしてケーブルの方も同じく3本に分かれていると思いますが、それぞれ以下のように接続します。
- シールド線→1番
- 白→2番
- 黒→3番
正式名称や例外もあるのですが、話をややこしくしたくないので、まずこの通りにやってみましょう。
閑話休題。
そして予備はんだを付ける場所は、コネクターの2番3番とシールドを含めたケーブルの銅線全てです。
コネクターの1番はシールド線が太い為予備はんだは不要。
⑨はんだ付けする
実際にはんだ付けしていきます。
途中のところでも述べたように、コネクターのオスメスで白と黒のケーブルの接続が左右逆になるのでご注意ください。
付け終わるとこんな感じ。
はんだ付けは自分自身そんな上手くないのでご了承を。
⑩コネクターをはめる
後はコネクターをはめれば完成です。
部品の形を見ながらギュッと押し込めば綺麗にハマります。
こんな感じになります。
⑪ケーブルのチェック
ケーブルが完成したらテスターでチェックするのをオススメします。
実際に機材に繋いでチェックしても良いのですが、自分の場合失敗したケーブルで機材に悪影響が及んだら怖いと思うところがありまして。
テスターは一台持っておけば既存のマイクケーブルや、ギターシールドのチェックでも使えますしあると便利ですよ。
こちらのベリンガーのテスターは、画像のように斜め方向一直線にランプが付けばOKです。
余計なところにランプが付くと混線してる証拠。
因みに自分が最初に作った際は、あまりはんだ付けが下手すぎて、はんだ通しがくっ付き、全部のランプが点灯する酷い有様でした（笑）
自作マイクケーブル完成
ということでテスターまで終われば完成です。
満足げに眺めましょう。
最後にはんだ付けの際は軍手を履き、かつタオルを敷くなりした方が良いです。
自分の場合誤って椅子を焼いたり、軍手に付けてしまい焦げたりしました・・・。
やけどし兼ねないのでご注意を。
マイクケーブル自作の参考動画
自分が見た中では、上記の動画が一番参考になりました。
本記事で書いた手順も、基本的にこの動画に沿ってます。
ケーブル類の製作販売会社のプロの方の動画なので、非常に勉強になりました。
ぜひこの動画も見て頂けると、理解が増すと思います。
「マイクケーブル自作方法を徹底解説」まとめ
長々とマイクケーブル自作について書いてきました。
自分自身、手先が不器用なのもあり、とくにはんだ付けがめちゃくちゃ苦手で、最初の一本はめちゃくちゃ苦労しました。
自作するより買った方が早いんじゃないかと思ったりもしたんですが、結局これも慣れればできるようになるんですよね。
自作できるようになれば、ケーブル一本あたりの金額も安上がりになりますし、自分で自由に長さを決められるとメリットだらけ。
故障も自分で直せるようになりますし、ぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。
