アルバムを制作するにあたり、防音室が無いと様々な不便が発生し、音楽のクオリティを下げ兼ねないと感じ思い切って自作しました。
ご存知のように既製品はめちゃくちゃ高いですし、買うのはよほどお金に余裕が無いと厳しいので、自分のように自作しようと思う方は多いはず。
ということで簡単ですが、実際作ってみての概要をまとめていきますので。
防音室自作の詳細
主な用途
ボーカル、ギター、ハーモニカ、パーカッション等々のレコーディング及び練習
外寸
幅151cm × 奥行き130cm × 高さ212cm(換気扇含まず)
内寸
幅137.2cm × 奥行き116.2cm × 高さ193.8cm
重量
不明
遮音性能
-20dbくらい。後日詳しく検証して追記します。
費用
約10万(工具含む)
用途
ボーカル・アコギのレコーディング・練習に主に使用してます。
とくに今まではアコギが気軽に弾けなかったので、それだけでも大満足。
他にもハーモニカなどの吹く楽器や、パーカッションの録音でも使ってますね。
大きさ
一室しかない狭いアパートに住んでおり、部屋のスペースの半分近いスペースを防音室が占拠してるので、かなり狭いです(笑)
生活スペースは少なくなりましたが、快適な生活環境よりも、快適な音楽環境の方が大事ですからね。
重さ
正確な重さは測ってないので分かりません。
住宅の積載荷重が心配なところではありますが、向こう数十年も設置され続けるワケでは無いので、まあ大丈夫なのかなと(汗)
真夏に汗を垂れ流しながら、死にそうになり一人で組み立てました。
遮音性能
以前検証した際にはざっくり-20dbくらいだったんですが、後日動画を作りつつまた再検証したいと思います。
費用 10万円
ホントはもうちょっと安く済む予定でしたが、いざ作り始めると必要なものが出て来て、結果このくらいに。
何事も予定通りに行きませんね。
工具代も含んでるので、元々DIYをやる方で工具を既に持ってるならば、もう数万安くなるはず。
外観
部屋が狭すぎて全体を映るように撮影ができないので、ざっくりと。
見ての通り素人DIYなので、色んな部分の作りが荒いです(汗)
上から。コーキングが外壁にべっとり付いてます。
正面を下目に。
防音室下の床には、EVAマットを敷いてます。
実は天井側の二重壁の上がちゃんと閉じられていません。
というのも一人で組み立てをするため、くっつけてしまうと重すぎてとても一人で天井を乗せることができなくなる故の苦肉の策。
でもこれでも-20dbくらいの性能は出せたので、ちゃんと閉じれば-30dbくらいなるのではという安易な考えを持ってます(笑)
いずれ引っ越ししたりしてもう一度組み上げる際には、誰かに協力してもらいさらに強固に補修する予定。
自作防音室の換気扇と言えば『ロスナイ』がお馴染みなんですが、如何せん費用がかかり増しするので、トイレ用換気扇を使いました。
付随して消音チャンバーまで自作することになったのですが、こんな大きな箱を作るんですから、そもそもチャンバーくらい増えてもそんな労力は変わらないと思ってのこと。
配線用の穴。
見てすぐにお気づきでしょうけども、無駄に穴が大きいという大失敗(笑)
皆さんくれぐれもお気をつけください・・・。
ドア部。戸当たりも作りました。
かなり見にくいですが蝶番。
設計の際に見落としてた問題があり、蝶番のネジが斜めにならざるを得なく、問題を孕んでます。
ここもいずれ修繕したいという感じで、素人のやっつけDIYなので問題だらけ・・・。
内観
防音室を入り口から見た光景。
ドブロギターが鎮座しておりますが、レコーディング時は外に出さないと金属板が共鳴してノイズが入るという、手間のかかる状態。
しかし他に置く場所も無いですし、防音室に置いておかないと手軽に弾けないのでしょうがないという感じですね。
ボーカル録音セット。
リフレクションフィルターにハーモニカホルダーを下げてたりして、雑多な感じになってます。
機材は以下の通り。
内装は基本的にニードルフェルトを貼っ付けてます。
詳しくは後述するんですが、最初に合板剥き出しの状態で組み上げたら、中で音が反射して性能がイマイチだったので、急遽計画変更し導入したもの。
さらに壁に詰めてもなおグラスウールが余ってたので、部分的に壁に付けてます。
これにより予定より内径が狭まっているという失敗(汗)
換気扇用の穴。
消音チャンバーをきちんと作ったおかげで、思ったより動作音は軽減できました。
静かな曲を録音するときは、換気扇を回さない感じでやってます。
暗くて非常に見にくいんですが、マイク類は防湿庫で保管してます。
レコーディングが主たる用途なので、モニターも設置しました。
お金をかけたく無かったので、端材でテーブルは自作しました。
テーブルの下にケースを置いて、パーカッションやら笛やら色んな楽器を収納してます。
その下に防湿庫も置いてる格好。
上から。あんまりスペースに余裕が無いのは分かって頂けるかと。
ギターはこんな感じで基本置きっぱ。
カホンは椅子と兼用してます。
因みに緑の椅子が見えますが、これはドラムの練習用。
ケーブル類が隅にゴチャゴチャと。
いずれ綺麗に整理する方法を考えねばなりません。
『LEDはノイズが乗る』といった情報を見たので、白熱電球を付けてるんですが、この影響で夏場は暑さがマシマシに・・・(笑)
上を眺めた図。
天井の一部分にも余ったグラスウールが付いてます。
構造
こおろぎさんの防音室のような、パネルを作って組み立てるタイプにしたかったんですが、DIY初心者かつ、超絶手先が不器用な自分は、設計段階で頭がパンクしそうになりました(笑)
故に、引っ越す時はなんとかなるだろうということで、パネルタイプは諦め、順番に材料をくっ付けて行く感じに。
壁の構造
中|ニードルフェルト|合板|グラスウール|遮音シート|合板
という感じの2枚壁構造。
当初はニードルフェルトを付ける予定では無かったのですが、いざ完成してみると、中の硬い合板が影響してか、防音室内で音が反射して、せいぜいだんぼっち程度の遮音性能という絶望的な状況に(笑)
冷や汗をかきながら対応策を調べ、ニードルフェルトを貼ったら万事解決しました。
この辺の設計段階の失敗の詳しい部分は後述します。
改善・反省点
設計段階で遮音性能を実験
先ほど書いたように、いざ完成したら中で音が反射しまくって冷や汗ものの遮音性能になったので、できれば予めざっくりと実験しておくと良かったなと。
とはいえ実験は難しいところもありますし、おすすめするとすれば、防音室自作について書いてるブログの材料をそのまま真似すること。
ただし注意点としては、完成後にちゃんと遮音性能を測って記載しているブログにしましょう。
でないとどれだけの性能になるか予測がつきませんからね。
作ってみたらだんぼっち程度だっとなれば、泣くしかありません(汗)
自分が一番参考にさせて頂いたのが以下のブログですので、参考までに。
参考 遮音シートの効果は本当にあるのかDIYでギター練習室を製作エアコン導入
夏場はインドにいるのかってくらい暑いです。
5分もすれば汗だくになるレベル。
あまりの暑さに自分は冷風機を導入しましたが、正直無いより幾ばくかマシな程度なので、できればダクトなどでエアコンを引き込めればと思うのですが・・・。
かなり大掛かりになりそうなので、現実問題難しいです。
道具
電動ドライバーとタッカーがあれば基本はなんとかなります。
電動ドライバー
そこそこ良いお値段がしますが、これが無いと自作はまず不可能。
充電式では無く、有線の方を選びましょう。
タッカー
でかいホッチキスと言えば分かりやすいですね。
グラスウールを止めるのに使います。
ノコギリ
木材のカットの指定ミスや、あらたに必要になる大きさの木材など、何かしら出てくるので無いと困ります。
包丁
グラスウールを切るのに使います。
100均のでOK。
図太い精神をお持ちの方は食卓の包丁を使っても良いでしょう。
市販の防音室
同じくらいのスペックの市販の防音室を見てみます。
値段を比べるとなんだか自作ですごく得した気分になりますが、制作でそれ相応の労力をかけてるんですよね(苦笑)
市販防音室の定番。58万円~となっており、おいそれと手を出せるものでありません。
安い防音室の定番ですが、『遮音性能 Dr-30』を謳っているものの、使用者のレビューを見ると補修しないとここまでの性能は出ないそう。
自分も検討しましたが、ある程度の大きさが必要でしたし、性能が心もとなかったので自作に踏み切りました。
周りを囲うだけで-30dbなるのかちょっと不安。20万越えと高かったので、自分は検討すらしませんでした。
「防音室を自作したので、スペック・費用・設計図・道具などざっくり紹介」まとめ
2020年6月に思い立ち設計を始めて、7月から作り始め約三週間で完成という感じでしたが、ホントに作って良かったと感じてます。
防音室でレコーディングしてみると、今まで如何に粗悪な環境で録音をしてたか実感するばかり。
アコギも気軽に練習できるようになったりと良いことづくめです。
元々DIY好きの方ならともかく、自分のような素人が一から設計して作るのは骨の折れる作業ですか、それだけの価値はあると言えますね。
ぜひ気になる方はチャレンジしてみてはどうでしょうか。