今村昌平監督の『神々の深き欲望』が見たくて、netflixに登録しました。
ついでに以前からチラッとは耳にしていた「netflixオリジナル作品」の中で、片っ端から音楽映画を見たのです。
面白かったのも微妙なのも色々あったので、見た作品を一通りレビューしていきたいと思います。
ロック好きな方の参考になれば幸いですね。
netflixの音楽映画レビュー
リマスター: サム・クック
個人的に一番見て良かったと思った作品。
サム・クックのドキュメンタリーの類は見た事が無かったので、非常に楽しめました。
生い立ちから不審死まで簡潔にまとめられており、サム・クックの概要について知れます。
とくにこの作品で良かったのは、ライブ盤ハーレムスクエアを知れたこと。
正直それまではサム・クックと言うと、上品なゴスペル歌手のイメージが個人的にはあったのですが、先のライブ盤を聴いてぶっ飛びました。
まさにロックンロールと言える熱量を歌も演奏も帯びており、自分の中のサム・クック観がひっくり返りました。
とくに「twist and away」がカッコよすぎて一時期猛リピートしてました(笑)
リマスター: ロバート・ジョンソン
ブルースの伝説ロバート・ジョンソンのドキュメンタリー。
もっともご存知のように本人はとうに亡くなっており、映像なんて残って無いので、研究者ほか関係者や親族の話が中心です。
「Love in Vain」の話のくだりで、実の息子さんが出てきて話をしてたのが印象に残ってます。
あとロバート・ジョンソンの生家が未だに残っていたのも驚きでした。
ロバート・ジョンソンについてマニアックな程詳しい人なら物足りないかもですが、自分はそれなりに楽しめた作品です。
リマスター: マイアミ・ショウバンド
70年代にアイルランドのビートルズと言われた、「マイアミ・ショウバンド」のドキュメンタリー。
アイルランド紛争のゴタゴタに巻き込まれ、テロでメンバー3人を亡くすという悲劇のバンドです。
当時の事件についての詳細や、存命のメンバーが闇に葬られた謎を暴く為に奔走する姿が中心に描かれます。
音楽映画というよりも、事件ドキュメンタリーの色合いが強いので、肩の力を抜いて見れる作品を探してる人には不向きでしょう。
日本ではこうした話はまず聞く事はありませんが、海外では国の情勢に振り回されたミュージシャンがいたことも実感させられます。
キース・リチャーズ: アンダー・ザ・インフルエンス
ローリング・ストーンズのギタリスト「キース・リチャーズ」の半生を追うドキュメンタリー。
ファンなら既知の話が多いですが、本人が語る映像ということで、キースが好きな方なら一見の価値があるのでは無いでしょうか。
撮影当時72歳のキースが、音楽の話となると10代の少年のような笑顔を見せ、心から音楽を愛しているのがよく分かります。
キースがピアノを弾くレアな映像も見られたりします。
しかもその曲をイアン・スチュワートから教えてもらったというのだから堪りません。
マ・レイニーのブラックボトム
ブルースの母こと、マ・レイニーを題材にした異色の映画。
ベッシー・スミスの師匠にあたる人物としても知られています。
レコーディングの一幕を舞台にして、人種差別の複雑さを描いた内容。
ただ同じニュアンスの映画だったら、個人的には以前に見た「ベッシー・スミス」の方が面白かったです。
とはいえ、こちらはこちらで楽しめました。
アザー・ワン: ボブ・ウェアの数奇な物語
米国で圧倒的な人気を誇るバンド「グレイトフル・デッド」のギタリスト「ボブ・ウェア」のドキュメンタリー。
彼自身の半生と、バンドの歴史を辿る内容です。
自分自身、グレイトフルデッドはあんまり詳しく無かったので、この作品で色々と知る事ができました。
ニール・キャサディの話が出てきたりと、ビート文学好きの方も必見の内容。
フロントマン「ジェリー・ガルシア」についても濃く語られるので、彼のファンも必見です。
リマスター: ボブ・マーリー
ボブ・マーリーのドキュメンタリーなんですが、「暗殺未遂事件」に焦点が置かれた内容。
自分自身ボブ・マーリーは自伝や、他のドキュメンタリーを見てたりしたので、この作品はちょっと物足りなかったです。
むしろ他の作品も、自分が元々知らなかっただけで、詳しい人にとっては物足りない作品もあるのかと思うところ。
ボブ・マーリーの入り口にも合うような内容でも無いので、ベストくらいしか聴いたこと無い、という人にちょうど良い内容かも知れません。
リマスター: ジョニー・キャッシュ
カントリーで最も著名な人物と言っても過言では無い「ジョニー・キャッシュ」のドキュメンタリー。
生い立ち・半生が語られますが、途中からかなり政治色の強い内容になって来ます。
ニクソンとの関わりの話もあったり、ある程度アメリカについての事前知識が無いと着いて行けないところがあるかも。
カントリーは保守的という文言を聞いた事がありますが、日本ではあまり馴染みのない音楽と政治の結びつきの一端も垣間見れます。
ローリング・サンダー・レヴュー: マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説
ボブ・ディランがアルバム『欲望』を発売した後の75年から76年にかけて行ったツアーの模様を扱った映画。
ラスト・ワルツも手掛けたマーティン・スコセッシが監督を務めているのも見もの。
一見するとドキュメンタリータッチで、昔の関係者が当時の回想話を映像の合間に聞かせてくれるのですが、『映像を撮影していた人物』がフィクションというのが秀逸。
ごった煮のように大量の人物が溢れかえるステージも面白く、ディラン好きは勿論音楽好きは楽しめる映画のように感じます。
ニーナ・シモン〜魂の歌
50年台から60年代にかけて活躍した、ジャズ・シンガーである『ニーナ・シモン』の半生を追ったドキュメンタリー。
生い立ちから有名になるまでから、公民権運動に身を投じ業界から干され、その後の苦難の姿などが描かれます。
自分自身ニーナ・シモンはほとんど聴いた事が無かったので、映画がきっかけで色々と知れて面白かったですね。
魂の解放: ラテンアメリカのロック史: リミテッドシリーズ: 反抗
タイトル通りラテンアメリカのロック史を追ったドキュメンタリー。
ラ・バンバから始まり、どのように発展していったのかが当時のミュージシャンや関係者の口から語られます。
しかし個人的には、どうにもその時代ごとの流行りのサウンドが、ただ現地語になっているようにしか聞こえず、あまりのめり込め無かったんですよね(汗)
それと共に、日本のロックも外国人からしたら、同じ様に見えるんだろうなと思わされ、色々と考えるきっかけにはなりました。
リマスター: ソロモン・リンダ
トーケンズのヒット曲「ライオンは寝ている」のオリジナル曲である「ンブべ」の作者、「ソロモン・リンダ」を取り上げたドキュメンタリー。
いかにして楽曲がアメリカに盗まれ、本人はもとより遺族が不当な状況に追い込まれたかが映し出されます。
弁護士を巻き込んでの訴訟事に物語の大半が裂かれ、巨大な帝国ディズニーと戦うというもの。
しかし何とも後味の悪い終わり方であり、どこまで行っても弱者は強者に勝てないと思わされる悲痛な内容だと感じました。
「netflixの音楽映画が面白い」まとめ
ということで、Netflixのオリジナル音楽映画をまとめて来ました。
まだ見てない作品もあったりするので、見た後に徐々に書き足していきたいと思います。
個人的にはサム・クックのドキュメンタリーが一番見て良かったと思いましたが、人それぞれ好みのものを探してみてはどうでしょう。
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