60年代フォーク・リヴァイバルムーブメントの中心人物の一人である『デイヴ・ヴァン・ロンク』の回想録を読みました。
以前にディランの自伝を読んでから、同氏の曲を聴くようになり、今回興味を持って手に取った次第です。
当時のヴィレッジの空気感が分かる良書でしたので、紹介していこうかなと。
グリニッチ・ヴィレッジにフォークが響いていた頃 デイヴ・ヴァン・ロンク回想録
あらすじ
本書の内容としては、タイトルにあるように回想録という趣。
ざっくりの流れはこんな感じ。
生い立ち
↓
ジャズの日々
↓
フォークシーンについてのあれこれ
↓
その終焉
巻末で共著者が述べていますが、本書の完成前にロンクが亡くなっており、本来の予定とは違う本に仕上がったそう。
とはいえ、当時の空気感や、物事の詳細について詳しく綴られていますし、言われないと断片的なものを紡ぎ合わせたとは思えない、濃い内容になっていると感じます。
特徴・感想
フォークリヴァイヴァルムーブメントの詳細を知れる
デイヴ・ヴァン・ロンクは、ブームが始まる以前からヴィレッジに住み、その後も同地に住み続けていた為、始まりから終わりまでを見ている数少ない人物。
どのようにして大きな唸りが始まり、そして終焉して行ったのかが、彼の視点によって語られます。
一般的に言われる事とは異なった視点を持っており、自分自身非常に興味深くのめり込まされました。
とくによく一緒くたに語られるビート文学のシーンとは、仲良く一緒に事を起こしていた訳では無かったというのに驚きでした。
ディランについての話も語られる
勿論ディランについての話も語られ、初めて会った時の印象や、その後のゴタゴタについても筆を走らせています。
有名な『house of the rising sun』についての一連の流れは、デイヴが可哀想に感じましたね・・・。
デイヴがアレンジしたバージョンをディランに無断で先にレコーディングされ、そのアレンジを踏襲したアニマルズバージョンの大ヒットという恐ろしい顛末。
政治的な主張も多分に盛り込まれている
唯一ちょっと読みにくかった点が、政治的な主張やそれに関する話が結構なボリュームで盛り込まれていること。
デイヴ自身、政治的な歌はほとんど歌っていませんでしたが、個人としては政治的価値観を持っていたようです。
聴き慣れない単語や組織なども出てくる為、正直この辺の話だけは着いていくのが大変でした(苦笑)
「グリニッチ・ヴィレッジにフォークが響いていた頃」まとめ
という感じでざっくりでしたが、「グリニッチ・ヴィレッジにフォークが響いていた頃」のレビューでした。
当然の事ながら、フォーク・リヴァイヴァル・ムーブメントに興味がある方や、デイヴ・ヴァン・ロンクが好きな人にオススメ。
全然関係無い話ですが、彼の曲で自分が一番好きなのは『He Was a Friend of Mine』です(笑)
ではこの辺で終わりにしますが、因みに本書をベースにした映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』も面白いので、是非合わせて見ておくと良いでしょう。
下記U-NEXTで見れますので。
DVDはこちら。