スズキサトシ(@sasa_rhythm)です!
UK最速セールスという記録を打ち立てた、oasisの3rdアルバム『Be Here Now』。
数字の上ではとんでもない偉業ですが、アルバム的には賛否両論です。
前2作はoasisを代表するアルバムで、ロック史を語る上でも欠かせない傑作と言えるもの。
楽曲のクオリティ、リアムの透き通るような声、全てにおいて非の打ちどころが一切ありません。
本作に関しては、「これ本当にoasisの曲?」というようなアレンジが多く、確かに本来のoasisらしいキャッチーな名曲も存在しますが、全体的に散らかっている印象。
それ故に、確かに売れたアルバムではありますが、その要因は2ndが記録的大名盤だったという余波を引きずったものであり、「3rdが一番良いアルバムだ」と言えるものではありません。
アルバムとしてのクオリティ、統一感など、全てにおいて前2作は別格。
逆に言うと過去が「良すぎた」と言うこともできますが、3rdにおいても「スタンド・バイ・ミー」や「オール・アラウンド・ザ・ワールド」などノエルらしいキャッチーな曲も存在します。
とはいえ、oasisを語る上で初期三部作は外せないところであり、しっかりと聴いておきたい作品ですね。
では、楽曲解説に入っていきましょう。
Be Here Now/oasis 楽曲解説
D’You Know What I Mean?
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
「俺の言っていることが分かるか?」と歌われる、7分超えの超大作。
メロディラインが綺麗で心地よさはありますが、いかんせん曲が長すぎる印象が。
イントロでwonderwallと同じ進行のアコギが鳴り響き、全体的にかなり分厚いサウンドになっていることからも、試行錯誤の後が見えます。
しかし、前2作を聴いてもらえば分かりますが、変にサウンドをいじくり回さないほうが、やはりoasisにはピッタリだと思うんですよね。
アルバム冒頭から、いつもと違うぞ感、が漂います。
My Big Mouth
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
重厚なリフから始まるロックナンバー。
「ビッグ・マウスを叩いていけ」と叫ぶ同曲は、ビッグ・マウスのギャラガー兄弟にはピッタリ。
しかしキャッチーさには欠けると思うところで、ノエルらしい耳に残る感じは薄いです。
あまりアレンジをいじっていない分、先の『D’You Know What I Mean?』よりかはoasisっぽい印象。
Magic Pie
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
「Magic Pie」とは直訳すると「魔法のパイ」。
ここで言うところの意味は、望むものを手に入れた象徴、といったところでしょう。
「お前は 俺がマジックパイを手にしたところを 見ただろ?」という一節にあるように、夢は手に入れられるんだという、前向きなメッセージが込められた一曲ですね。
アルバム唯一のノエルボーカル。
Stand By Me
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
同アルバムにおいては一番の人気曲で、知名度も高い一曲。
「スタンド・バイ・ミー」と言えば、ジョンレノンもカバーした、ベン・E・キングの同名曲が真っ先に思い浮かびますよね。
Oasisはカバーではなく、ノエルのオリジナル。
曲を聴いても特に参考にした節はありません。
和訳すると「そばにいてほしい」という意味で、「この道がどう続くか分からないから、そばにいてほしい」と歌う、oasis屈指のラブソング。
I Hope, I Think, I Know
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
1stに収録されててもしっくりくる感じの、ストレートなロックナンバー。
ノエルが考える人生観が前面に出ているのが、圧倒的にカッコ良いですね。
アレンジもシンプルな8ビートで、やはりoasisはこの雰囲気がピッタリと感じるところ。
単純な8ビートでも、ドラムが「アラン・ホワイト」に変わったことで、手数が多くなってるのはよく分かります。
The Girl in the Dirty Shirt
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
マイナー感漂う不安定な響きが、メロディのオシャレな感じを醸し出しています。
誰が弾いてるか定かではないですが、おそらくoasisで初めてスライドギターが導入。
タイトルの意味は「汚いシャツを着た女の子」という意味ですが、その様を称える歌。
王道のキャッチーさとは少し違うものの、耳に残る感じがたまりません。
Fade In-Out
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
「お前は出たり入ったりする」と歌う一曲ですが、全体的にはっきりした意味合いはありません。
「The Girl in the Dirty Shirt」に続き、スライドギターが入ってるのも特徴的ですね。
Oasisらしい感動する一曲ではなく、純粋にサウンドを楽しむ曲でしょう。
Don’t Go Away
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
「どこにも行かないで」と歌う、ストレートなラブソング。
ギャラガー兄弟の母親ペギーが入院したのをきっかけに作られた歌だそう。
口も悪いし典型的な不良の兄弟ですが、女手ひとつで育ててくれた母に対しては、ものすごい愛情があることが分かります。
『Live forever』も母に向けて書いた曲ですし、ノエルの書く母への歌は、必ずと言っていいほど名曲ですね。
Be Here Now
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
アルバムの表題曲となっている曲ですが、インパクトに欠けている感じは否めません。
何の楽器で出しているのかよく分からない、イントロの音もoasisらしさからズレてる印象。
メロディ的な心地よさも無く、どちらかと言えば単調で進んで行く感じ。
なぜこの曲をアルバムタイトルにしたのか疑問ですが、彼らが気に入っているんであれば、ちゃんと聴いておきたいですね。
All Around the World
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
Oasisを代表するバラードナンバーのひとつ。
タイトルは「世界中」という意味。
「世界中に広めていかなければいけない」という言葉が、世界へ羽ばたいて行くという、明確なメッセージが見えますね。
デビュー前からあった曲だそうで、売れる前から世界を目指していたという、ノエルの目標の高さが分かりますね。
しかし9分超えはやりすぎではないかと思うところ(^_^;)
It’s Gettin’ Better (Man!!)
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
「日に日に良くなっていく男」というタイトル。
ストーンズを意識して作ったというだけあって、リフが終始なっている感じがカッコイイです。
次曲が『All Around the World』のインストなので、実質的に最後の曲と言えます。
しかしこれまた7分声で、適度な長さの方がいいんじゃないかなと思うところ。
All Around the World (Reprise)
作詞・作曲:ノエル・ギャラガー
10曲目の『All Around the World』のインスト版。
サックスでメロディを奏でているのが、ビートルズの『All You Need Is Love』っぽい雰囲気を感じます。
ストリングスまで入ってきて、かなり豪華なサウンドですね。
インストで終わるというのが、コンセプトアルバム感があって個人的に大好きです。
「【アルバムレビュー】Be Here Now/oasis」まとめ
3rdアルバム『Be Here Now』の紹介でした。
随所随所で良い曲はあるものの、やはり前2作に比べると落ちるのは事実。
あまりにも長い曲が多すぎて、アルバム全体が冗長になっているんですよね。
何が理由でそこまで長くしているか分かりませんが、適度な長さにすれば、もっと聴きやすいアルバムだったと思わずにはいられません。
しかし先にも書きましたが、前2作が良すぎたというのもあり、それと比較するのも酷なところ。
Oasisが伝説的バンドになる重要期として位置づけられている、初期3部作。
評価はともあれ、ぜひ自分の耳で確かめてもらいたいアルバムですね。
ちなみにoasisは『amazon music umlimited』で全アルバム配信してます。
こっちの方が安上がりかつ、いつでもどこでも聴けて便利なので、参考にどうぞ!
どうも、スズキサトシ(@sasa_rhythm)でした。