ジョージ・ハリスン自伝『I ME MINE』を読みました。
詳しくは後述しますが、自伝とは言ったもののかなり特異な構成であり、所謂自伝からはかなり離れた内容となっています。
しかしそこが新鮮で、多分に楽しめる内容でした。
ということでざっくりレビューしていきます。
あらすじ
本書は一部二部の構成に分かれ、一部が自伝、二部がジョージによる歌詞解説となっています。
しかも全ページにおける三分のニが歌詞解説に割かれているので、普通の自伝とは違うのはお分かり頂けるはず。
一部の自伝については、ビートルズの広報担当だったデレク・テイラー氏の手を借り、コンパクトにまとめられてますね。
特徴・感想
大量の歌詞解説
先ほど述べたように、全体の三分のニが歌詞解説という異色の内容。
得てしてミュージシャンは自分の詩について多くを語らない・語りたがらない人が殆どであり、ここまで自身の詩について描かれた本は稀でしょう。
何をきっかけに書かれた歌であるかや、着想となったものまで見える内容になってますので、作詞をする人なら多大に参考になるものがあるはず。
今までジョージの歌詞の和訳をじっくりと読む事が無かったので、改めて感銘を受けました。
確かボブ・ディランの言葉で「ジョージ・ハリスンはビートルズで無くとも、偉大なソングライターになっていた」みたいなのがあったはずですが、それが良く理解できましたね。
手書きの歌詞が見れる
英語が分かる人ならば、手書きの歌詞を見れる事で大いに楽しめるはず。
ジョージが自身の手で書いた多数のメモを見る事ができ、歌詞の言葉がより生々しく感じることでしょう。
自分のように英語は読めずとも、溢れ出る言葉を書き起こした生きた筆致を見る事で、感じる事があるのでは。
ジョージ唯一の自伝
内容は乏しいものの、一応ジョージ唯一の自伝。
没後に非公認の自伝も出たりしてるようですが、あまり評判もよろしく無いので、ひとまずジョージの事を知りたい人には唯一の書籍かも。
話が脇道に逸れますが、ジョージの半生に興味がある方は、本書と併せて映画「マテリアル」を見ると良いかもしれません。
「【音楽本レビュー】ジョージ・ハリスン自伝 / I ME MINE」まとめ
ということで簡単ですが、ジョージ・ハリスン自伝『I ME MINE』のレビューになりました。
自伝的な内容では無いものの、ジョージに興味がある方なら一見の価値ありです。
ぜひジョージ本人の感性溢れる言葉の数々に、心躍らせてみてはどうでしょうか。