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もしヒューストンズのアルバムが発売されていたら?

ヒロトがブルーハーツ活動休止中に結成していたバンド『ヒューストンズ』。

 

当時のインタビューで本人の口から語られたことによると、「それぞれのパートのプロを集めて音楽をやったらどうなるのか?」という実験的な思考があったそうだ。

 

改めてメンバーをおさらいすると、ギターにMOJOCLUB・タイマーズで知られる三宅伸治さん、ベースに藤井裕さん、ドラムに松本照夫さんといった具合。

 

そんなヒューストンズはスタジオデモを多数残しており、今や広く拡散され、誰でも聴けるブート状態になっている。

 

この記事では『ブレイカーズがアルバムを出してデビューしていたら?』と同じシリーズとして、ヒューストンズのアルバムを妄想で考えていこうかなと。

 

とりわけヒューストンズは曲数がさほど多くは無いので、ある程度選ぶものは決まってくるので、曲順の問題が一番考えるべきところだったりする。

 

ということで早速本題へ入って行こう。

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もしヒューストンズのアルバムが発売されていたら?

ヒューストンズのテーマ

タイトルがタイトルなため、選択の余地は無いだろうと冒頭に持ってきたのは「ヒューストンズのテーマ」。

 

「ヒューストン・ブルース」としてブルーハーツのラストアルバム『PAN』に収録されていることでも知られている。

 

曲調としても16ビートのディスコ調なナンバーで、ブルーハーツでは絶対にやらなかったであろう雰囲気であり、一聴して違うバンド感が出るのでは無いだろうか。

ヒューストン・ロック

2曲目に持ってきたのはスタンダードなロックンロール調の曲であり、実際ライブでも同じ流れで演奏されてたので、この展開は自然だろう。

 

テーマの方ではカッティングのリズムギターに徹していたヒロトが、こちらではボーカルとハーモニカに徹するところが、いつものヒロト感に思える部分も。

僕と僕の彼女

冒頭からの流れで、ガチャガチャとしたバンドサウンドで続いた方が良い気がしたので、お次は「僕と僕の彼女」をチョイス。

 

デモ音源で有吉さんのキーボードが入っているが、荒ぶるロックンロールピアノ感が素晴らしい。

 

ここまでの3曲の流れだけだと、超絶ロックンロールバンド感がある。

落とし穴

系統的には「ヒューストンズのテーマ」と類似した雰囲気の16ビートのダンスナンバー。

 

2曲目に持ってこようかとも思ったが、ファンクバンド感が出る気がして、あえて曲順を離してみた。

 

冒頭に書いたように、「新しいことをやってみたかった」みたいなところがヒューストンズの発端にあったことを考えると、ヒロトはこうゆう曲調も演奏したかったのかな、と思ったり。

ボインキラー

テンポ的に速いものばかりでフルスロットルで来たので、ここらでスピードを落としていく感じということで、「ボインキラー」を配置。

 

改めて説明するまでも無いが、『PAN』に収録されている曲のひとつ。

 

ミドルテンポな曲調で、これまたブルーハーツでは絶対にやりそうになかった感じの内容。

 

こうした感じで改めて聴いていくと、この時期ヒロトが好んでいた・作りたかった曲長が見えてくる気がする。

プロフェッショナル

A面ラストは個人的にヒューストンズ屈指の好きな曲である『プロフェッショナル』を持ってきた。

 

ここから始まりB面は怒涛のバラードナンバーの嵐の始まりというワケだ。

 

憂歌団の木村充輝さんに提供した曲でもあるが、やっぱり純然たるヒューストンズバージョンが美しい。

 

「好きこそものの~」からのくだりの歌詞は、なんど聴いても堪らない。

B面

呼んでくれ

思いっきり主観的にはなるが、ヒューストンズで一番、いや、それすらも超えてヒロトの作ったラブソングで一番良い曲は『呼んでくれ』じゃないだろうか。

 

「お天気を~」からのくだりはまさに神がかっており、大袈裟では無く言葉を失ってしまうくらいの名曲。

 

そしてこれだけの曲を作っておきながら、『PAN』の収録曲にはチョイスせず、平然と未発表のままにしておくのが並では無い・・・。

歩く花

ラブソングの流れで固めようということで、続いて持ってきたのは『PAN』にも収録されている『歩く花』。

 

別記事でも書いたが、友人の結婚式の為に書いた曲であり、テーマ性が有無を言わせない素晴らしさ。

 

A面から打って変わって、ポップなバンドに変わった感が出るように思える。

 

こうした曲調だと、時期が時期だけになおさらブルーハーツの影が見え隠れするとも感じたり。

窓をあけよう

ブルーハーツの2ndに収録されるはずだった曲シリーズその1。

正直なぜこのタイミングで引っ張り出して来たのか疑問が残るが、やはりヒロト自身、気に入っていた曲なのだろうか。

 

ヒューストンズバージョンはアレンジが異なり、最初の「窓を開けよう~」というコーラスの部分でバンドが一気に入って来るという、意表を突いたようなアレンジで、これが超絶に気持ち良い。

ほんの少しだけ

ブルーハーツの2ndに収録されるはずだった曲シリーズその2。

 

こちらも大幅にアレンジが変わっており、ハワイアンなビートに、多分ミックスでスチールっぽくしてると思われる三宅さんのスライドギターが乗り、サビだけ一気にロック的な感じに行くと言う大胆な構成。

 

こうしたヒューストンズのアレンジの豊富さは、ヒロト以外のメンバーの経験豊富さからも来ているような気もする。

 

これら2曲は、背景が背景だけに並べた方が自然な気がしたところである。

炎の散歩野郎

終盤になりつつある中で持ってきたのは、ヒロトが「自身のテーマ曲である」と語る『炎の散歩野郎』。

 

「ズンチャズンチャ」といった裏打ちのリズムが軽快なカントリー&ウエスタン的な一曲で、ここでもヒューストンズのアレンジの多様性が見て取れる。

 

ちょっと言葉遊び的な感じがある「明日はシベリア~」からのくだりが、すごい好きだったり。

愛と感動のロマン

個人的に一番ヒューストンズでラスト感のある曲だったので、迷わず『愛と感動のロマン』を持ってきた。

 

「愛と感動」と銘打たれてはいるものの、純粋な音楽への愛情が根幹にあるように思える。

 

サニーボーイ・エルモアジェイムス・レッドベリーなど、ロック史における偉人の名前がどんどん出てきて、各々を感じさせるアレンジが入っているのが、すごく音楽への愛を感じさせてくれる。

 

ラストは全ての楽器が入ってきて大騒ぎ状態でフェードアウトしていく感じが、いかにもなグランドフィナーレ感では無いだろうか。

「もしヒューストンズのアルバムが発売されていたら?」まとめ

改めて俯瞰して見ると、当然のことだがとんでもない名曲揃いである。

 

アレンジも含めて全くもって非の打ちどころが無く、誰しも認める素晴らしいバンドであったからこそ、きちんとした形でアルバムが発表されていて欲しかったと常々思うところ。

 

インディペイメントな立場で無い以上、自由な活動ができないのは致し方が無いところであるし、嘆いてもしょうがないので、デモを聴けるだけでも喜ばしいと思うように努めたいですね。

 

ということで、超主観的な記事でしたが、マイベスト的にアルバムを考える作業は非常に楽しく、新たな視点も見つかったりするので、皆さんもぜひやってみてはどうでしょうか。

もしヒューストンズのアルバムが発売されていたら? 『動画版』