スズキサトシ(@sasa_rhythm)です!
僕はいわゆるバンドマンですが、税理士の登竜門と言われる難関資格「日商簿記1級」を保有しています。
税理士が趣味でバンドをやっている場合はあるでしょうけども、本気で音楽をやっていて税金に精通している人はまずいないのではないでしょうか(笑)
僕は2018年11月に開業したので、2018年度が初めての個人事業主としての申告でした。
この記事で僕が伝えたいのはこの2点。
- 今回は申告書を作る過程で勘定科目について疑問点があり、それを解決したのでまとめたい
- ミュージシャンの申告における勘定科目について分かりやすい解説がなかったので、申告が初めての人にも分かるように伝えたい
「申告も簿記もさっぱり分からないよ。。。」って人にも分かるように解説していきますので、ぜひご一読ください(^^)
そもそも勘定科目とは
下の方に僕が実際に申告の際に分類した勘定科目は書いてありますが、「勘定科目」の意味を理解しなければ毎年検索して勘定科目を調べることになってしまうので、できれば読んでいただきたいです。
細かい理屈はいいからさっさと勘定科目教えろ、という方は次の章へどうぞ(^_^;)
結論から言うと、『勘定科目の振り分けは細かく拘らなくてもいいけど、適当すぎるのもダメだよ』となるのですが、その理由を述べて行きます。
勘定科目について語る際には、「そもそも申告で一番重要なのは何?」という点。
「売上」「経費」「控除」「現金」色々な回答が浮かぶと思います。
明確に正解があるわけではないですが、基本的には「所得」、ひいては「正しい税金計算をすること」になります。
「そもそも所得ってなんだ?」という人もいると思いますが、
売上-経費=所得
と思ってもらってOKです。
申告をさらにかみ砕いて説明すると、1年間の儲けを計算して、払う税金の金額を出すのが確定申告です。
つまり一番重要なのは「儲けの金額=所得」ですよね。
改めて勘定科目について考えてみましょう。
勘定科目とはすなわち経費の分類ですよね?たとえば、「仕入」「消耗品費」「旅費交通費」など。
極端な理屈になりますが、例えば本来は「消耗品費」に入れるべき経費を「旅費交通費」に入れてしまったとしましょう。
間違えたところで所得は変わりますか?変わりませんよね?
つまりそうゆうことで、勘定科目を間違えても大した問題は無いよ、ということを言いたいのです。
それよりも家族との飲食代など、経費にならないものを誤魔化して経費にすると、バレた日には税務署の鉄槌をくらう訳でして。
些細な科目間違いで刺さってくる税務署はありませんよ。暇じゃないので、そんな細かいことでいちいち調査に来ません。。。
だからと言って「じゃあ勘定科目は適当でいいんだ!スズキが言ってたぜ!」とはならないでください(笑)
例えばAさんの2年分の申告内容がこんな感じだったらどうでしょう。
消耗品費 150万
所得 50万
売上 250万円
旅費交通費100万円
所得 150万円
僕が税務署職員だったら絶対調査に行きますよ(笑)
ということで改めて最終的な結論は、『勘定科目の振り分けは細かく拘らなくてもいいけど、適当すぎるのもダメだよ』ということです。
なんとも微妙な結論ですみません(TT)
例えば滅多に使わない経費支出があって、「科目が分からない、どうしよう。」と半日もネットサーフィンするんだったら、「雑費」など汎用性の高い科目に入れておけばいいんですよ。
ここまで述べてきた勘定科目について、ルール化するとこんな感じ。
機材代→消耗品費
電車代→旅費交通費
などすぐに判断できるものは、きちんと分類。
どうしても分からないものは『雑費』に入れる。
では次の章で具体的に僕が分類した勘定科目ごとに整理していきますね。
ミュージシャン、バンドマンが使う勘定科目一覧
売上
チケット、グッズ、CDなどによる収入ですね。
音楽活動で入ってくる収入全般は売上と思ってもらってOK。
僕のようにアフィリエイト収入もあれば売上に入れましょう。
雑収入
雑収入はいわば事業とは別のところから入ってくる収入。
よくあるものとしては、NTT電柱の敷地使用料なんかがあります。
とくになければ空欄でいいですよ。
仕入
CD制作代、グッズ制作代など。
商品の制作代金と思ってください。
荷造運賃
CDやグッズなどを事前にライブハウスに郵送した際の配送料など。
音楽活動の中で必然的に出てくる配送費用全般が該当しますね。
水道光熱費
ほとんど自宅で作業をするミュージシャンの場合、電気代・水道代なども正当な経費です。
DTM中心に楽曲・BGM制作なんかしている人などが該当しますね。
ただ日常生活的な部分もあるので、全額経費ではなく4~6割くらいが妥当なところでしょうか。(経費按分といいます)
旅費交通費
スタジオ練習・ライブのための電車代・駐輪代や、地方へライブに行った際の宿泊費などが該当します。
通信費
今や音楽活動にネットは必要不可欠。
情報発信・動画アップなどネットが無ければ話になりません。
連絡ツールとしてのスマホも必須です。
当然にインターネット代や携帯料金も経費になりますね。
ただし水道光熱費同様、4~6割の経費按分が妥当でしょう。
広告宣伝費
チラシ(フライヤー)製作代、持ち出し分のチケットノルマが該当します。
僕も分類の際にチケットノルマについて悩みましたが、いわばライブは宣伝活動なので、宣伝広告費がばっちりハマるなと。
接待交際費
バンドメンバーでの打ち合わせ飲食代、同業者であるミュージシャンのライブチケット代などが該当します。
あくまでミュージシャンという事業に関連した飲食代などが該当するので、先に述べたような家族との飲食代などは決していれないように。
修繕費
ギター・ベースなどの楽器の修繕費、DTMの方はパソコンの修繕なども該当します。
仕事用の機材を直した際の科目と覚えておけばOK。
消耗品費
ギター・ベース弦、シールド、ドラムスティック、マイク、ピックなど、音楽に関わる消耗品ですね。
DTMソフトや関連プラグインなどもこちらに該当。
ステージ・撮影用の衣装代なんかも該当しますね。
減価償却費
数十万円もする高価な機材(パソコン含む)を買った際には、買った年度に一度に経費にはならず、数年間かけて経費にしていきます。
これを減価償却と言います。
計算がややこしいので、改めて別記事で解説する予定ですのでお待ちください。
地代家賃
水道光熱費同様、自宅が作業の中心になるミュージシャンは家賃も正当な経費。
同じく4~6割の按分が妥当なところですね。
以下は僕が設定した科目。
勘定科目は既に記載されている科目だけでなく、ある程度自由に設定ができます。
個人的に分けた方がいいな、と思った科目を設定したので、使い勝手がいいと思った方はぜひ使ってみてくださいね。
研修費
楽器・DTMの講習会など。
僕の場合ギター講習を月1回受けているので、レッスン代をこちらで計上しています。
賃借料
スタジオ練習代を計上。
スタジオに年間いくら使っているか把握したかったので設定しました。
図書購入費
楽譜や音楽理論の本など、音楽活動に係る書籍ですね。
僕の場合はブログもやっているので、ライティング・マーケティング本なんかも経費です。
「ミュージシャン・バンドマンの確定申告講座 『勘定科目について』」まとめ
申告に限らない話ですが、難しいことを初心者の人にかみ砕いて説明するのはなかなか難しいんですよね(^_^;)
できるかぎり分かりやすく書いたつもりですが、ご質問などあれば気軽にコメントへどうぞ。
僕は今年の申告は自身で作成したエクセルシートで行ったのですが、ゆくゆくはミュージシャン専用の確定申告用無料エクセルシートとして出したいなと思っています。
現状は僕の知識があった上で理解できるシートになっているので、そのまま出しても使える人はいない状態・・・。
色々試行錯誤して初心者でも分かりやすいものを構築中ですので、お待ちいただければと思います。
最後になりますが、僕は税理士の登竜門資格も持っているのに加え、実務経験もあり、過去に100件ほどの申告業務経験がありますので、ある程度の信頼性は担保できています。
しかしながら僕は税理士ではありません。
なので書かれている通りに申告したけど税務調査に入った、といった場合などの責任は負いかねますので、その点だけはご了承ください(TT)
どうしても自分で申告ができなそうで不安な場合は、きちんと最寄りの税理士さんに相談してくださいね。
また僕は「ココナラ」というサービスで、1000円定額&回数無制限で申告や税金に関する質問を受け付けています。
僕に直接相談したい場合は、「ココナラ」でまずはDM相談していただけると幸いです!
2021.04 追記
現在は税務相談の活動はしておりません。
確定申告で悩むミュージシャン必見!
確定申告が大変なミュージシャンの方は会計ソフトを使った方が楽なので、検討してみることをお勧めします。
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