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【音楽本レビュー】不滅療法~ウィルコ・ジョンソン自伝『キャンヴェイ島に思いを馳せて』

言わずと知れたパブロックを牽引したバンドである、ドクターフィールグッドの名ギタリスト『ウィルコ・ジョンソン』。

 

先日、渋谷クラブクアトロにて来日公演があり見て来たのだが、あまりのカッコよさに心を打たれ、興奮のあまり物販で自伝を衝動買いした。

 

自伝の名の通り、ウィルコが自らの人生について書き下ろした一冊であり、ウィルコファンやパブロック好きにとっては必読とも言える内容。

 

海外アーティストの自伝は、やはり採算の問題で一定程度の知名度が無いと翻訳本が出ないものだが、ウィルコは本国のみならず、日本で絶大な人気を誇るため実現したのだろう。

 

そんな有難みも感じながら、読み進めて行ったが、どんどんとウィルコ人生にのめり込んでいき、あっという間に完読した次第だ。

  1. ウィルコ・ジョンソンやドクターフィールグッドが好き
  2. パブロックが好き

という方はぜひ手に取ってもらえると嬉しい。

あらすじ

先にも言ったように、ウィルコの半生を詳細に掘り下げたものであるが、ネタバレしない程度に概要を紹介すると、次の4つの構成に分けることができる。

  1. 少年時代からドクターフィールグッド結成
  2. ドクターフィールグッドの全盛期と脱退
  3. ソロ活動と2度目の絶頂期、妻の死
  4. 余命宣告とそれ以降

もちろんどの部分も非常に密度が濃く、楽しめるものであるが、伝説が起こるまでという意味で、ドクターフィールグッド結成までと全盛期の話は胸を熱くするものがある。

 

次に、特徴・感想をポイントに絞って述べていこう。

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特徴・感想

①ウィルコが辿って来た道を追体験できる

映画しかり、本しかり伝記ものは人物の目線で同じ体験を体感できるというのが魅力的。

 

とくにパブロックシーンのリアルな空気感を感じれるのが珠玉であり、どのようにドクターフィールグッドがシーンを席巻して行ったのかが、よく分かる。

 

パブ・ロックの詳しい歴史は「パブ・ロック革命」で語られているが、本書はウィルコの正真正銘の歴史書と言っても過言では無いだろう。

 

とくにドクターフィールグッド脱退に至るまでの、メンバー間の軋轢などを読んでいると胸が辛くなってくる。

 

しかしこうした今まで表だって聴く機会が無かった話こそ、本書の特別な面の一つでは無いだろうか。

詩の挿入など、文学味に溢れている

ウィルコが国語教師だったのはファン周知の事実であり、そのエピソードも本書の中で語られている。

 

そして稀有なソングライターであることは、皆さんご存知の通りでしたが、実は音楽とは別に、所謂普通の「詩」を書くことも書籍の中で触れられています。

 

その為、本書にも詩が挟まれたり、自伝のテキストもウィルコ自身が書いている為、非常に文学味が溢れた内容になっていると言えるだろう。

曲作りの思考が具体的に語られている

自分も含め、音楽をやっている人にとってはウィルコの曲作りの思考が語られているのも必読。

 

代表曲「She does right」の誕生秘話も語られていますが、一つの言葉を考えるだけでも、物凄い試行錯誤をしているのが分かります。

 

とくに「ありがちでは無い言い回し」を意識して、言葉を色々と置き換えてみるという思考法は、すぐにでも活かせるものではないかと思う。

「【ロック本書評】不滅療法~ウィルコ・ジョンソン自伝」まとめ

ということで簡単ですが、ウィルコの自伝についてレビューしてきました。

 

兎に角、ウィルコ好きもといドクターフィールグッド好きは間違いなく楽しめる、濃い内容の自伝と言えるでしょう。

 

さらに本書を読んだ後には、「パブ・ロック革命」を読んで頂けると、さらに周辺知識が増し、時点をもう一度読みたくなること間違いナシです。

 

ぜひぜひ、楽しみながらロックの世界の深みにハマって行きましょう。