スズキサトシ(@sasa_rhythm)です!
前作、前々作とあまり良い作品とは言えないアルバムを出してきたクロマニヨンズですが、例に漏れずこちらも名盤とは程遠いです。
もちろん曲単位で見たら良い曲というのはありますが、全体的な完成度として物足りないのは否めません。
マーシー作で言えば「デカしていこう」、ヒロト作なら「ユウマヅメ」「ルンダナベイベー」あたりは屈指の名曲ですが、他は盛り上がりに欠けるかなと。
低調なというか、あえてこういった選曲をしてるのか分かりませんが、こうゆう時期があるからこそ名作が産まれるということで、今後の素晴らしい作品に期待を寄せたいですね。
長いキャリアで見れば、ブルーハーツ時代も4th~5thの時期があったからこそ、名作『凸凹』ができたわけですからねえ。
微妙なアルバムはちゃんと書いてこそ、良いアルバムの絶賛具合が強く伝わると思い、心を鬼にして書いてるわけですが、自分の場合は、もはやヒロトマーシーの作品がどんなものであろうが買う境地に達してるので、良いも悪いももはや関係ないと言えば関係ないんですけどね(笑)
「どんなものでも買う」というのはファンの最終境地だと思いますので、そうゆうファンが増えるように、ヒロトマーシーの魅力を伝えていきたいですね。
ラッキー&ヘブン/ザ・クロマニヨンズ 楽曲解説
デカしていこう
作詞・作曲/真島昌利
マーシー節炸裂の、アルバム冒頭を飾る痛快な一曲。
ミドルテンポで、ギターもカッティング中心ということもあり、派手なロックナンバーではありませんが、聴きごたえはあり。
何も持たず 来たんだから 何も持たずに 去ってくのがいい
「生まれた時は何も持ってないんだから、死ぬ時も何も持たないほうがいい」という論調は、
まさにマーシーそのものと感じますね。
流れ弾
作詞・作曲/甲本ヒロト
「流れ弾」とは、狙ったものを外れ、飛んで来る銃弾のことですが、歌詞を見る限りでは、「自分自身が流れ弾のような存在である」と言っているように思えます。
前作で言うと「ピート」などと同系統な、8ビートなロックナンバーですが、イマイチ迫力がありません。
とはいえキャッチーな曲が少ない同作にとっては、貴重な存在なのは確か。
どん底
作詞・作曲/真島昌利
同アルバムで唯一シングルカットされたナンバー。
「どん底だから上がるしかない」という前向きソングですが、マーシーらしい文学味もなく、平易すぎる印象。
スタンダードなロックナンバーなので、キャッチーといえばそうなんですが、物足りなさは払拭できませんね。
足のはやい無口な女子
作詞・作曲/真島昌利
マーシーの実際の思い出を歌にしたもの。
当時、雑誌インタビューで「足の早い無口な女子っていたよね」、みたいなあるある話をしていた記憶が。
気だるい感じの曲調で、とても良い曲とは言えず、おすすめはあまりできません(^_^;)
ハッセンハッピャク
作詞・作曲/甲本ヒロト
「ハッセンハッピャク」という語呂の良さだけで作った感じの一曲。
歌詞を見ても深い意味は一切ありません。
アレンジ面ではファンクっぽい感じのアレンジがされており、そういった点では聴きどころはありあすが、全体的にイマイチなのは否めませんね。
嗚呼! もう夏は!
作詞・作曲/甲本ヒロト
ヒロトの夏の思い出を歌った一曲。
「ガリ版刷り」「図鑑」「昼メロ」など、時代性が顕著に見えますね。
例によって気だるいミドルテンポな曲なので、あまり心に響く要素はありません。
盆踊り
作詞・作曲/真島昌利
タイトル通りの盆踊りソング。
ドラムのアレンジも、まさに和太鼓そのもの。
しかしこういった和風ソングなら、ハイロウズ時代の『21世紀音頭』の方が圧倒的にカッコよかったなあと思いますね。
同曲は少しうねりが足りない印象。
ユウマヅメ
作詞・作曲/甲本ヒロト
釣り大好きヒロトの釣りソング。
ヒロトの釣りソングだったら、提供曲ですが「イソブラボー」なんかが大好き。
「ユウマヅメ」とは、夕暮れ時に魚が活発になる時間帯で、釣りの専門用語ですね。
アコースティックなアレンジと、ふわっとしたハーモニカが絶妙にマッチしてます。
ルンダナベイビー
作詞・作曲/甲本ヒロト
同アルバムでは誰しも認める名曲と言える一曲。
泣けるメロディラインといい、これぞヒロトというのを強く感じます。
「ルンダナ」という単語の意味は明確に分かりませんが、意味が分からなくても良いものは良いんですよね(笑)
音源にはなってないですが、ライブ版のギターソロがとにかく秀逸だったんですよ。
CDでは歌メロに忠実でそこまで崩して無かったんですが、ライブ版ではこれぞロックンロールという崩し方で、同ツアーではこのソロを聴けただけでお腹いっぱいでしたね(笑)
ワンゴー
作詞・作曲/甲本ヒロト
チャックベリーお決まりのリフから始まる、ロックンロールナンバー。
犬をテーマにした一曲ですが、あまり深い歌詞ではありませんねえ。
愉快に楽しめる曲であることは確か。
同じ犬ソングだったら、『GUMBO INFERNO』収録の「犬の夢」の方が遥かに名曲。
ジャッカル
作詞・作曲/真島昌利
目立たない曲ではありますが、歌詞に着目するとマーシーらしい表現が節々に散りばめられています。
Aメロの最後の部分が、ハイロウズ時代の「アネモネ男爵」と酷似してるのはご愛嬌。
おそらく無意識で被っているんでしょうけども、30年近くやってきたら、そりゃあ被るメロディも出ちゃいますよ。
型破りに 拘るあまりに 空回りしている
考え方に固執した挙句、空回りして何にもなっていない、ということを言いたいと思うのですが、色んな事に応用できそうな考えですよね。
マーシーの思慮深さが感じられる名言です。
散歩
作詞・作曲/真島昌利
散歩大好きマーシーの散歩ソングですが、あまりに言葉がふわふわしすぎてイマイチ。
マーシーの散歩ソングだったら、ハイロウズ時代の「今、何歩?」が至高ですよねえ。
ライブでは水色ストラトで弾くなど、見るポイントはありましたが、曲としてのインパクトに欠けるのは否めません。
「【アルバムレビュー】ラッキー&ヘブン/ザ・クロマニヨンズ」まとめ
11thアルバム『ラッキー&ヘブン』の紹介でした。
ブルーハーツ・ハイロウズ共に10年で解散しましたが、10年を超えてもなお止まる気配の無いクロマニヨンズ。
今後もヒロトマーシーのライフワークとしての側面もありながら、ずっと続いていくのではないかと感じています。
しかし活動が長くなってくるにつれ、「いつも同じ感」が強まって来ていると誰しも思うところであり、正直ここ数年はその傾向が顕著。(2019年2月現在)
ここらで閉塞した感じを打破するべく、『ACE ROCKER』以来の大名盤が聴けたら嬉しいなあと思うばかり。
今後も動向を見守っていきましょう。