色んなアーティストのアルバムを聴いても、大概1曲は使われていると言っても過言では無いエフェクターの『コーラス』。
その独特な音色はコーラスでしか出せないものであり、楽器演奏・音楽制作において欠かせないものの一つになっています。
とはいえ、僕も初めそうでしたが、初心者だと聴いたことのある音色でありつつも、そもそも『コーラス』という存在を知らず、「一体この音はどうやって出すんだ?」と混乱しがち。
加えてツマミの加減によってだいぶ音も変わったりと、なかなか音作りも最初は難しかったりします。
ということでこの記事では、コーラスの基本的な知識から、おすすめのコーラス・エフェクターまで丁寧に紹介していきたいと思います。
ぜひ参考にしていただき、気に入ったエフェクターを手にしてみてくださいね。
そもそもコーラス・エフェクターとは?
いわゆる『コーラス効果』というものは、原音と、微妙に遅らせた信号を混ぜ合わせることで、音に厚みを出すというもの。
かみ砕いて説明すると、例えば歌のコーラスを複数人でやるとすれば、そのタイミングは生身の人間が歌う以上、厳密に同じタイミングにはなりませんよね?
それと同様に、微妙に遅らせた音を混ぜ合わせることで、一人で演奏していても、さながら合奏しているかのような効果を生み出すのです。
今回の記事ではギターエフェクターという文脈での紹介となりますが、ミックスにおいてもバックグラウンド・ボーカルや、クラップ等のSEにも使われたりと、幅広い用途で用いられる効果なのです。
では早速、そんな定番のコーラス・エフェクターの実機を見て行きましょう。
おすすめのコーラス・エフェクター
BOSS / CE-5
最初は世界初の単体コーラス・エフェクターであるBOSS『CE-1』の後継機である、王道の『CE-5』。
ザ・コーラスとでも言えるような、煌びやかで心地良いコーラスサウンドが特徴的であり、「これ以外選択肢が無い」と断言する人も多いです。
加えて、フィルター機能が付いており、自在にハイカット・ローカットを操れるので、音作りの自在さという点でも、頭一つ抜けている印象。
初めてのコーラス・エフェクターならば、まずはこれを選んでおけば間違いないと言え、末永く使える相棒になること間違いないでしょう。
BOSS / CH-1
BOSSのコーラス・エフェクターの2大巨頭として双璧を成す、『CH-1』。
先の『CE-5』はかなりキャラが立つかかり具合でしたが、こちらの方がよりナチュラルに、爽やかなかかり具合をします。
エレキギターで歪ませてから通す的な使い方よりかは、クリーントーンでのアルペジオや、アコギにニュアンスを付けるような使い方がおすすめ。
モデルチェンジも無く、ずっと初代の『CH-1』であり続けることからも、改良の必要が無い普遍性を確立しているのがよく分かります。
BOSS / DC-2W
ひたすらBOSSが続きますが、お次はヴィンテージ・マニアを虜にして来た「Dimensionコーラス」を現代に蘇らせたもの。
原音を一切揺らさずに、広がりと奥行きを表現するという、唯一無二な性能を持っており、他のコーラスには出せないニュアンスが存在。
そしてスイッチを押すだけで音を切り替えらえるなど、音作りの面でもとにかく楽で、初心者にとっては非常に有難いところ。
逆にツマミも無く、細かい音作りができないのが難点だったりするので、「この音が良い」と確たる好意が無ければ、ちょっと選ぶのは難しいかも。
MAXON / CS-550 Stereo Chorus
日本を代表するギタリスト・Char氏が愛用・監修していることで知られるコーラス。
メロウで甘みのあるサウンドが唯一無二であり、流石アナログと言った感じの、太く暖かい出音が素晴らしいです。
ちょっとゴツゴツとした感じの見た目も個性的で、デザイン的に存在感があるのも良いですね。
LEDも付いていて暗いステージでも見やすかったりと、細かい気配りがあるのも嬉しいところ。
Electro-Harmonix / Neo Clone
ニルヴァーナのカート・コバーンが愛用していたことで知られる「Small Clone」の正統後継機。
まさにそのまんまの音がするので、グランジ好きギタリストは垂涎もののエフェクターではないでしょうか。
かなりコンパクトに改良されており、ペダルボードのスペースを取らないのも◎。
ツマミも少なく非常にシンプルなので、音作りが非常に簡単なのも良いですね。
MXR / M-234 Analog Chorus
現存する数少ないアナログ・コーラスのひとつであるMXR製エフェクター。
癖が無く、サラッと気持ち良いかかり方をするので、クリーンサウンドでのバッキングやアコギにぴったり。
トーンコントロールも付いているので、好みに合わせた音作りができるのも良いですね。
結構強めにかけても、細かいニュアンスを損なわない、ふくよかな感じなのも本機の特徴でしょう。
TC Electronic / Corona Chorus
使いやすさに非常に重きが置かれたデジタル・コーラス。
サウンドの自在さが圧倒的であり、プロギタリストからも高い評価を得ています。
また「TC Electronic」社の特徴である「TonePrint」機能も搭載されており、PCに接続することでより細かい音作りをしたり、プロのサウンドをそのまま移植するなんてこともできたり。
見た目の鮮やかなグリーンも、主張がある感じで魅力的。
TC Electronic / 3rd Dimension Chorus
「とりあえず安いコーラスでいいから一台欲しい」という人に、ダントツでおすすめなのがこちら。
5000円を切る値段であり、逆に心配になるほどの安さです。
しかし往年の名器、BOSS『DC-2』を元に設計されていることからも、その音はまさにコーラスそのもの。
スイッチが4つしか無いですが、複数のボタンを押すことも可能なため、合計で16種類の音から好みのものが選べます。
柔らかいコーラスのかかり具合も心地良く、最初の一台でもおすすめ。
Strymon / Ola Chorus & Vibrato
メカニカルでスタイリッシュな見た目が、グッと目に飛び込んでくる『Ola Chorus & Vibrato』。
値段は張りますが、相応の高級感ある煌びやかなサウンドを鳴らしてくれ、音に拘る方は検討してみても良いでしょう。
デジタルエフェクターではありますが、内部でアナログを完全シュミレートしており、デジタルと言われなければ気づかないほどの再現度。
さらに本機にしか無い機能として「ENVモード」が挙げられ、なんとピッキングの強弱でエフェクトのかかり具合が変わるスグレモノ。
One Control / Dimension Blue Monger
最後は近年のエフェクター界で定番と言える『One Control』社のコーラス。
小型軽量ありながら、圧倒的な品質のエフェクターを多数制作しているメーカーで、「高級メーカーのような音を鳴らしてくれる」と定評があるほど。
「水」がコンセプトで制作されている本機は、まさに圧倒的な透明感のある、薄い膜が貼られているかのような、綺麗なコーラスサウンドを鳴らしてくれます。
かなり深くかけても、その幽玄で広がりある音を保ってくれますし、美しいコーラスサウンドが好みならドンピシャ。
「【2021】おすすめのコーラス・エフェクター『現役ギタリストが選ぶ』」まとめ
ということで、おすすめのコーラス・エフェクターを10つ紹介して来ました。
他のエフェクターもそうですが、一口にコーラスと言ってもそれぞれ個性があり、また使う人の趣向も様々。
ぜひ皆さんの理想のサウンドを持ちつつ、デモ動画を聴いて頂ければ、「これだ!」というエフェクターが見つかるのではないでしょうか。
コーラスがあるのと無いのとでは、サウンドメイキングの幅が大きく異なって来ますので、ぜひ盤石に使える一台を、足元に導入しちゃいましょう。
→「【2020】おすすめエフェクターまとめ」に戻る。
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